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顎関節症・歯ぎしり・食いしばり

顎関節症

顎を動かすと「カクカク」や「コキッ」と音がしたり、口を開けにくい、顎が痛むといった症状がある場合は、顎関節症の可能性があります。
耳のすぐ前あたりに位置する「顎関節」は、口を開け閉めする際に重要な役割を担っている関節です。
この部分に痛みや違和感が出る、口を大きく開けられない、動かしにくいといった機能的なトラブルが生じている状態を「顎関節症」と呼びます。
近年では、日本人の約半数が一度は経験するとされており、決して珍しいものではありません。
症状には個人差があり、ごく軽い場合には治療を行わずに自然と症状が落ち着くケースも見られます。
しかし、痛みが長引く・食事や会話がしづらいなど、日常生活に影響が出ているような場合には、早めの受診が大切です。

顎関節症セルフチェック

顎関節症は、複数の症状が重なって現れることが多い疾患です。
代表的な症状には「顎が痛い」「口が大きく開かない」「顎を動かすと音がする」といったものがありますが、実は顎以外にも全身に不調を感じるケースがあります。
以下のチェックリストは、ご自身で簡単に顎関節症の可能性を確認できるものです。
多く該当する場合は、早めの受診をおすすめします。

🧠 頭まわり

  • 頭痛がする(前頭部・後頭部・こめかみなど)

👂 耳まわり

  • 耳鳴りがする
  • 耳がつまったような感じがする

👁 目まわり

  • 片方の視力が悪い
  • 左右の目の大きさが違う
  • 目が疲れやすい
  • めまいを感じることがある

👃 鼻

  • 鼻が曲がっている気がする

👄 口・喉まわり

  • 口が開けにくい
    ※ 通常は指3本分(約40〜50mm)開くのが正常です。指2本分(約30mm)以下しか開かない場合は「開口障害」の可能性があります。
  • どこで噛んでいいかわからない
  • 力いっぱい噛みきれない
  • のどに違和感がある・飲み込みにくい
  • 話しづらい

🦷 顎

  • 顎を動かすと「カクン」「ポキッ」「ギリギリ」と音が鳴る
    ※これらは顎関節がずれて動いているサインで、「クリック音」「クレピタス音」と呼ばれます。
  • 顎が痛い(口の開閉時、噛むとき、起床時など)
    ※特に耳の前あたりに痛みを感じることが多いです。
  • 顎が疲れやすい

🦴 首・肩・体全体

  • 首がこる
  • 首の動きが左右で違う
  • 顔のゆがみが気になる
  • 肩こりがひどい
  • 生理痛や生理不順がある
  • 腰痛がある
  • 指のしびれがある
  • 疲れやすく、気持ちが落ち込みやすい(自律神経の乱れ)

当てはまる項目が多いほど、顎関節や周囲の筋肉に負担がかかっている可能性があります。
軽度のうちに適切なケアを行うことで、悪化を防ぐことができます。気になる症状がある方は、早めにご相談ください。

顎関節症になる主な原因

顎関節症は、ひとつの原因で発症するものではなく、日々の生活習慣や身体の使い方が積み重なって起こると考えられています。代表的な要因としては以下のようなものが挙げられます。

  • 歯ぎしりや食いしばりの癖
  • ガムを長時間噛む習慣
  • 頬杖をつく
  • 片側ばかりで噛むクセ
  • 精神的なストレスによる顎の緊張

これらが複合的に影響し、顎関節やその周囲の筋肉に過度な負担がかかることで、痛みや機能障害が現れることがあります。

顎関節症の主な症状

1)顎の痛みや音が鳴る

口を開けたり閉じたりする動作の中で、顎の関節や周囲の筋肉に痛みや違和感を覚えることがあります。
また、「カクカク」「ガリッ」といった関節音がする場合もあり、これは関節内の構造が正常に動いていないサインのひとつです。

2)口が大きく開かない(開口障害)

正常な開口量は、おおよそ指3本分(約40mm程度)とされています。
この範囲よりも開きが制限されている場合、顎関節症が疑われます。特に、口を開けたときに急に動かなくなる「クローズドロック」は、関節内の円板がずれて関節の動きを妨げている状態です。
そのほかにも、筋肉や関節そのものの炎症や癒着が原因となることがあります。

3)そのほかの症状

顎関節症は、口まわりの問題だけにとどまらず、全身にさまざまな症状を引き起こすことがあります。
歯や舌の痛み、のどの違和感、耳鳴りなどのほかにも、頭痛・肩こり・全身のだるさ、自律神経の乱れによる不調といった症状が見られることもあります。

4)顎を動かすと「カクッ」と音がする(クリック音)

顎関節症では、「クリック音」「開口障害」「関節の痛み」の3つの症状がセットで現れることが多いとされていますが、痛みを伴わないケースも少なくありません。
口を開けたり閉じたりする際に「カクカク」あるいは「ガクガク」といった音がする場合、これは顎関節がずれて動いているサインのひとつであり、「クリック音」と呼ばれています。この音が出るだけでは即座に顎関節症と診断されるわけではありませんが、関節の動きに違和感がある場合は注意が必要です。

特に痛みがなくても、顎がスムーズに動かない・関節に引っかかりを感じる・開きにくさがあるといった症状がある場合は、顎関節症の初期段階である可能性も考えられるため、早めに歯科での相談をおすすめします。

顎関節症の治療法

顎関節症の治療では、「かみ合わせのバランスを整えること」が重要になります。主な治療法のひとつが、スプリント(マウスピース)の使用です。上あごまたは下あごにスプリントを装着することで、上下の歯の接触を調整し、顎関節が安定するよう導きます。
スプリントによってかみ合わせが整うことで、関節周囲の筋肉の緊張がやわらぎ、顎の動きが改善されていきます。必要に応じて入れ歯や被せ物などの補綴物によるかみ合わせの調整を行うこともあります。

オーダーメイド式スプリント療法

当院は「口を開け閉じする度にカクカク音が鳴る(クリック音)」患者さんに対し、音をなくす治療を専門にしております。通常のマウスピースと違い、アゴを特定の場所に誘導することによって、アゴの音(クリック音)をなくす治療になります。
院長はアゴの音をなくす専門のクリニックに勤務していた実績があるので是非ご相談ください。

歯ぎしり・食いしばり

無意識のうちに強く歯を噛みしめたり、ギリギリとこすり合わせたりしていませんか?
こうした「歯ぎしり」や「食いしばり」は、多くの場合ご本人が気づかないうちに習慣化していることがほとんどで、特に睡眠中に見られる傾向があります。ご家族から「夜中に歯ぎしりの音がする」と指摘されて初めて気づく方も少なくありません。
こうした無意識の噛みしめは「ブラキシズム」と呼ばれ、いくつかのタイプに分類されます。
歯を横にすり合わせるグラインディング、上下の歯を強く噛みしめるクレンチング、カチカチと歯を打ち鳴らすようなタッピングなどが代表的です。
通常、安静にしているときは上下の歯に2ミリほどのすき間が空いている状態ですが、ブラキシズムがある方は常に口の周囲の筋肉が緊張しており、この空間がなくなっていることもあります。その影響で歯や顎、さらには首・肩まわりにまで負担がかかり、全身の不調につながることもあります。

こんなお悩みはありませんか?

  • 朝起きたときに顎が疲れている
  • 歯が欠けたことやヒビが入った経験がある
  • 就寝中に歯ぎしりの音を指摘されたことがある
  • 口を開けるとカクカクと音が鳴る
  • 顎まわりに違和感や緊張感がある
  • 歯ぎしり、食いしばりの原因や対策を知りたい

歯ぎしり・食いしばりの原因

歯ぎしり・食いしばりのクセは、ひとつの原因だけで起こるとは限りません。日々の習慣や身体の状態が積み重なった結果として現れることが多いです。

精神的ストレス

精神的なストレスを受けたとき、人は無意識のうちに噛むことで気持ちを落ち着かせようとする傾向があります。特に寝ている間は意識のコントロールが効かないため、力が入りやすく、強い食いしばりとして現れやすくなります。

歯並びやかみ合わせの乱れ

歯の高さや位置がわずかにズレているだけでも、顎の動きがスムーズにいかなくなり、力のかかる位置に偏りが出ます。これが慢性的な噛みしめにつながり、結果として歯ぎしりを引き起こすこともあります。

寝具や姿勢の影響

枕の高さや寝姿勢が合っていないと、首や顎まわりに負担がかかり、噛む筋肉が常に緊張した状態になります。これも、夜間の歯ぎしり・食いしばりを誘発するひとつの要因と考えられます。

無意識の力みぐせ

集中してパソコンを使っているときや、重いものを持ち上げるときなど、意識しないうちに歯をグッと噛みしめてしまうことがあります。このような日常の「力みぐせ」が習慣化すると、眠っているときにも同じ動きが続くようになってしまいます。

体の緊張がうまく抜けない

日中の緊張状態がうまくリセットされないと、睡眠中にその緊張を無意識に発散しようとして歯ぎしりや食いしばりが起こることがあります。体は眠っていても、筋肉が休まらずに動いているような状態が続いてしまいます。

歯ぎしり・食いしばりの種類

グラインディング(歯ぎしり)

眠っている間に、上下の歯を強くこすり合わせてギリギリと音を立てるタイプです。家族が音に気づいて発見されることが多く、「歯ぎしり」と聞いて多くの方が思い浮かべる代表的なタイプです。
歯の表面が擦れてすり減ってしまい、進行すると内部の象牙質が露出して知覚過敏や見た目の変化につながることもあります。また、強い横方向の力がかかることで、詰め物が外れたり、歯自体が割れてしまったりするリスクもあります。
さらに、歯の根を支えている骨にまで負担が及び、ぐらつきや歯周病の悪化につながるケースもあります。

クレンチング(食いしばり)

ギューッと歯を噛みしめる動きが中心で、音がしないぶん周囲も本人も気づきにくいタイプです。日中、集中しているときや緊張状態のときに無意識に起きることも多く、実は慢性的なクセになっている方も少なくありません。
このタイプは「強く・長く」歯に力が加わるため、歯や歯ぐきだけでなく、顎まわりの筋肉にも強い負担がかかります。頬の筋肉が張ってきたり、顎関節に違和感を覚えたりする方もいます。長期間続くと、歯の破折や、歯を支える骨の変化(骨隆起)につながることもあります。

タッピング(歯をカチカチ鳴らす)

上下の歯を軽くぶつけ合うように「カチカチ」と音を立てるタイプです。グラインディングやクレンチングに比べると力は小さく、歯や顎にかかるダメージも比較的軽度ではありますが、繰り返されることで負担が蓄積する可能性もあります。
音が出るため、自分で気づきやすく、起きているときにクセとしてやってしまうケースも多いです。早めに意識することで改善しやすい傾向にあります。

歯ぎしり・食いしばりが与える影響

睡眠中の歯ぎしりや、日中の無意識の食いしばりは自分では気づきにくいクセですが、歯や顎だけでなく、全身にさまざまな負担をかけていることがあります。
毎日少しずつでも強い力が繰り返しかかることで、思いもよらないトラブルが生じてしまうこともあります。

●歯が欠ける・割れるリスクが高まる

歯ぎしりや強い噛みしめが続くと、歯にヒビが入ったり、部分的に欠けてしまったりすることがあります。中でも、クレンチング(噛みしめ)タイプの方に多く見られる症状です。また、詰め物や被せ物をしている歯は衝撃に弱く、思いがけず破損してしまうことも少なくありません。

●歯の根がダメージを受ける(歯根破折)

歯の根元にまで力が加わると、「歯根破折」といって根っこ部分にヒビが入ることがあります。この状態になると、見た目には気づきにくい一方で、保存が難しく抜歯に至るケースも多く、虫歯や歯周病に次いで歯を失う大きな要因の一つとされています。

●歯周病を悪化させる

歯周病が進行すると、歯を支える骨が少しずつ溶けてしまいますが、そこに強い噛む力が加わると、さらにダメージが加速します。とくに、グラつきのある歯を無意識に食いしばることで、骨の吸収が進み、歯周病の進行を早めてしまうことがあります。

●詰め物・被せ物が外れやすくなる

毎日のように強い圧力が歯に加わることで、詰め物や被せ物の接着部分にダメージが蓄積します。その結果、外れやすくなったり、割れたりするトラブルが起こりやすくなります。何度も修復を繰り返すことで、歯自体の寿命にも影響が出てしまうことがあります。

●顎の関節に不調があらわれる(顎関節症)

歯ぎしり・食いしばりのクセが続くと、顎の関節やそのまわりの筋肉に負担がかかり、「口が開きにくい」「関節から音がする」「顎がだるい」などの顎関節症の症状があらわれることがあります。グラインディングやクレンチングは、顎関節症を引き起こす代表的な要因です。

当院の歯ぎしり・食いしばりの治療法

スプリント療法(ナイトガード)

就寝中に無意識に起こる歯ぎしりや噛みしめの力から、歯や顎を守るために「マウスピース(ナイトガード)」の装着をおすすめしています。
歯ぎしりや食いしばりは、症状そのものを止めることが難しい分、歯や顎へのダメージを最小限に抑えるためのサポートがとても大切です。
市販品もありますが、かみ合わせの微妙なズレが生じたり、逆に症状を悪化させてしまったりする可能性もあるため、歯科医院で自分の歯型に合わせて製作することが重要です。当院では、保険診療の範囲内で製作できるナイトガードもご用意しており、3割負担の方であれば5,000円前後で作成できます。
日々の睡眠中にしっかり装着することで、歯のすり減りや破折、顎への負担を軽減し、起床時の違和感や疲れ感の緩和にもつながります。

オーダーメイド式スプリント療法

当院は「口を開け閉じする度にカクカク音が鳴る(クリック音)」患者さんに対し、音をなくす治療を専門にしております。通常のマウスピースと違い、アゴを特定の場所に誘導することによって、アゴの音(クリック音)をなくす治療になります。
院長はアゴの音をなくす専門のクリニックに勤務していた実績があるので是非ご相談ください。

ボツリヌス治療

噛むときに使われる「咬筋」が過剰に緊張・発達していることが、歯ぎしりや食いしばり、顎の痛みなどの原因になることがあります。
こうした筋肉の緊張をゆるめる目的で、当院では「ボツリヌス治療(いわゆるボトックス注射)」も行っています。
ボトックスとは、ボツリヌス菌由来の無毒化されたたんぱく質製剤で、筋肉に一時的に作用させることで、緊張をゆるめたり、過度な動きを抑えたりする効果があります。
咬筋が必要以上に発達すると、顎の疲労感や頭痛、肩こり、エラの張り、顔まわりのむくみなど、さまざまな不調につながることがありますが、ボトックス注射により、こうした症状を緩やかに改善することが期待できます。
とくに、睡眠中の歯ぎしりに悩まれている方は、脳が筋肉に対して「噛む」という動きを指示する神経伝達が睡眠中も無意識に働いていることがあり、それが歯ぎしりや食いしばりの原因になる場合があります。ボトックスにはこの信号をブロックする働きがあるため、歯ぎしりの軽減や予防にも効果が期待できます。